常盤伝説に因んだ「仮称)常盤」


【近日発売】「仮称)ときわ」



常盤伝説(サギソウにまつわる物語)


サギソウ:鷺草という花はご存知でしょうか?

東京都世田谷区の「区の花」に指定されており、昔は大規模なサギソウの自生地が存在してました。

サギソウは、湿地に生える球根性のランで、7月~9月頃に開花します。まるで、シロサギが空に飛び立っているような花ですね。

 

このサギソウにまつわる常盤伝説がこの世田谷にはあります。


時は、戦国時代:1540年頃の話となります。

世田谷城主・吉良頼康(きらよりやす)には奥沢城主(世田谷区奥沢にあるお城)の娘で常盤姫(ときわひめ)という美しい側室がいました。

 

常盤姫は大変、愛されたのですが、それをねたましく思った側妾たちは、つくり話によって頼康につげ口をしました。

度重なるつげ口から頼康もそれを本気にして常盤姫に冷たくあたるようになりました。

愛情を疑われ、悲しみにくれた姫は死を決意し、幼い頃からかわいがっていた白さぎの足に遺書を結びつけ自分の育った奥沢城へ向けて放しました。


白さぎは奥沢城の近くで狩をしていた頼康の目にとまり、矢で射落とされてしまいました。

白さぎの足に結んであった遺書を見て初めて常盤姫の無実を知りいそいで世田谷城に帰りましたが、すでに姫は息をひきとっていました。

 

その時、白さぎの血のあとから、一本の草が生え、サギに似た白いかれんな花を咲かせました。これがサギソウと呼ばれるようになったのです。